iDeCoは受け取り時に課税されるって聞いたけど、ホント?
ぶっちゃけNISAとiDeCoはどっちが有利なの?
iDeCoが受け取り時に課税されるのはホントです!
iDeCoの方が有利と思われている方が多いかと思いますが、退職金の額によってはNISAの方が有利なケースもあります。
どっちが有利かはケースによって異なるので、ケースごとにご説明していきます。
この記事を読んでわかること
- iDeCoの方が有利なケースとNISAの方が有利なケース
- どのくらいの差が出るのか
- 最適なNISAとiDeCoの活用方法
23歳から60歳までiDeCoを続けていたケース
まずは23歳から60歳までiDeCoを続けていたケースです。
この間、iDeCoを満額の月23,000円ずつ積み立てて、年利5%で運用していくと、60歳の時点で総額約2,880万円になります。
退職金が500万円、1,000万円、2,000万円の場合でそれぞれ課税される税金は以下のとおりです。
- 退職金500万:約168万円
- 退職金1,000万円:約256万円
- 退職金2,000万円:約475万円
一方でNISAの場合、給料を受け取る時に課税されます。
iDeCoと同じく毎月23,000円積立を行う場合、年収にもよりますが、額面で約28,750円必要になります。
税額は28,750-23,000で、5,750円です。
これを37年間続けると、5,750円×12ヶ月×37年で、約255万円です。
つまり、退職金が1,000万円より少なければiDeCoの方がお得といった感じです。
ただ、1,000万円ならほぼ変わらないので、途中で引き出せるNISAの方が使い勝手が良いですよね。
ポイント
退職金が1,000万円より少なければ、iDeCoの方がお得
23歳から65歳までiDeCoを続けていたケース
次は23歳から65歳までiDeCoを続けていたケースです。
この間、iDeCoを満額の月23,000円ずつ積み立てて、年利5%で運用していくと、65歳の時点で総額約3,830万円になります。
退職金が500万円、1,000万円、2,000万円の場合でそれぞれ課税される税金は以下のとおりです。
- 退職金500万円:約278万円
- 退職金1,000万円:約38万円
- 退職金2,000万円:約606万円
一方でNISAの場合、5,750円×12ヶ月×42年で約290万円課税されます。
退職金が500万円くらいならiDeCoの方がお得ですが、1,000万円になるとNISAの方が100万円近くお得になります。
ポイント
退職金が500万円くらいなら、iDeCoの方がお得
30歳から60歳までiDeCoを続けていたケース
次は30歳から60歳までiDeCoを続けていたケースです。
この間、iDeCoを満額の月23,000円ずつ積み立てて、年利5%で運用していくと、60歳の時点で総額約1,883万円になります。
退職金が500万円、1,000万円、2,000万円の場合でそれぞれ課税される税金は以下のとおりです。
- 退職金500万円:約91万円
- 退職金1,000万円:約167万円
- 退職金2,000万円:約364万円
一方でNISAの場合、5,750円×12ヶ月×30年で約207万円課税されます。
退職金が1,000万円くらいならiDeCoの方がお得になります。
ポイント
退職金が1,000万円くらいなら、iDeCoの方がお得
30歳から65歳までiDeCoを続けていたケース
最後は30歳から65歳までiDeCoを続けていたケースです。
この間、iDeCoを満額の月23,000円ずつ積み立てて、年利5%で運用していくと、65歳の時点で総額約2,560万円になります。
退職金が500万円、1,000万円、2,000万円の場合でそれぞれ課税される税金は以下のとおりです。
- 退職金500万円:約141万円
- 退職金1,000万円:約222万円
- 退職金2,000万円:約436万円
一方でNISAの場合、5,750円×12ヶ月×35年で約241万円課税されます。
このケースでも、退職金が1,000万円くらいならiDeCoの方がお得になります。
ポイント
退職金が1,000万円くらいなら、iDeCoの方がお得
iDeCoの有効活用方法
毎月23,000円ずつ積立をする場合、退職金が1,000万円くらいになるとNISAの方がお得になるケースが多いと言うことがわかりました。
では、退職金が1,000万円を超える人はiDeCoを使わない方がいいのかというと、そんなこともありません。
例えば退職金が1,000万円の人は、毎月積み立てる23,000円を、iDeCoに10,000円、NISAに13,000円のように振り分けると、さらに節税効果があがります。
30歳から65歳までiDeCoを続けたケースでシミュレーションしてみます。
iDeCoで毎月10,000円ずつ積み立てて、年利5%で運用していくと、65歳の時点で総額約1,113万円になります。
退職金が1,000万円の場合、課税される税金は以下のとおりです。
- 退職金1,000万円:約20万円
一方でNISAに毎月13,000円積み立てる場合、かかる税金は3,250円×12ヶ月×35年で約136万円です。
iDeCoと合算すると以下の通りです。
- 退職金1,000万円:約156万円
NISAだけの場合より約85万円、iDeCoだけの場合より約66万円節税することができます。
さらに半分以上はNISAなので、途中で引き出すことも可能です。
ポイント
満額ではなく、iDeCoの投資額を適度に減らすことで節税効果が大きくなるケースもある
まとめ
退職金が1,000万円を超えてくるとiDeCoよりNISAの方がお得になることが多いです。
今勤めている会社に退職金制度がある場合はNISA、退職金制度がない場合はiDeCoといった使い分けでもいいかもしれませんが、退職金の額に合わせてiDeCoの投資額を決めると、より節税効果を高めることができます。